ES9038Q2M I2S DAC基板をRaspberry PiのVolumioで聴くには

ES9038Q2Mを搭載したI2S DAC基板であるDAC-E9038QをRaspberry PiのVolumioで聴くための設定についてです.

DAC-E9038QはRaspberry PiのGPIOのI2Sに直接ケーブルで繋ぐことができますが,おすすめはI2Sアイソレータ基板を使うことです.I2Sアイソレータ基板を使うことでRaspberry Piの電源・グラウンドとDAC-E9038Q基板の電源・グラウンドと電気的に分離ができさらなる音質の向上が期待できます.そして両基板間の接続が,6ピンのケーブルを接続するだけで済みますので簡単になります.ここではこのI2Sアイソレータ基板を使った例で説明します.

Raspberry PiとI2Sアイソレータ基板の接続

Raspberry Piの40ピンのGPIOピンにI2S アイソレータ基板のピンソケットを接続します.挿入する向きはケーブルコネクタがRaspberry Piの基板側となる向きです.逆向きでも挿入できてしまうので注意が必要です.また,先にコネクタケーブルを挿した状態で接続した方が良いでしょう.I2Sアイソレータ基板にはJSTのEHコネクタを実装している状態とします.ここではこのEHコネクタにQIケーブル6S-6Sを挿入しています.

DAC-E9038Qとの接続とショートピンの設定

DAC-E9038QのI2S信号のコネクタ CN1 にQIケーブル6S-6Sを接続します.電源はCN5に±12Vを供給し、JP12をショートピンを挿入してショートします.別途CN4から5Vを供給する場合はJP12をオープンにします.JP13はI2Cアイソレータ基板のアイソレータICの電源に接続する電圧を設定します.3.3V、5Vのどちらでも問題ありませんがここでは3.3Vとしておきます.JP13の2-3にショートピンを挿入します.

これ以外の設定ピンはデフォルトの状態(オープン)としておきます.デフォルトでの機能は

  • 入力ソース選択:I2S
  • デジタルフィルタ:Apodizing fast roll-offフィルター
  • DPLL帯域の選択:ノーマル
  • 歪補正の有効/無効:無効
  • SLEEP機能:ノーマル

となります.

Volumioの設定

Volumioを設定するには当然Raspberry Piの電源を入れますが,I2Sアイソレータ基板を使っていますのでDAC-E9038Qと接続された状態で電源を入れても問題ありません.これもI2Sアイソレータ基板を使うメリットです.

Volumioは既にインストール済みを前提としています.ここではバージョン2.907で行っています.

DSDをネイティブ再生したい場合

DSDをネイティブ再生したい場合の設定になります.但しVolumioのドライバの制約でDSD64までになります.

「設定」>「システム」の「全般設定」で「Show Advanced Settings」を[Simplified Settings Mode]から[Full Settings Mode]に変更してセーブします.

「設定」>「プレイバックオプション」の「オーディオ出力」で「I2S DAC」を[ON]にして出てきた「DAC Model」で[Generic I2S DAC]を選択して[保存]をクリックして再起動します.尚,DAC Modelは[HiFiBerry DAC]でも構いません.

「プレイバックオプション」の「DSD Playback Mode」は[DSD over PCM(DoP)]にして[保存]をクリックします.これはI2SでDSD64を再生するには必要な設定になります.

さらに「音量オプション」の「Mixer Type」は[None]にして[保存]をクリックします.そして「シャットダウン」メニューで[再起動]をクリックして再起動します.

さて,これで再起動後にPCM再生とDSD64のネイティブ再生(DoP)が可能になります.DSD128はPCMに変換されます.

主にPCMの音源を聴く場合

CDをリッピングした音源からハイレゾまでPCMを主に聴いて,DSDはPCMに変換しても良いから再生できれば良いという場合の設定です,

上記の設定に加えて「Audio Resampling」の「Audio Resampling」を[ON],「Target Bit Depth」を[24]にして[保存]をクリックします.こうすることでPCM44.1kHz/16bitの音源の再生が可能になります.

そして「シャットダウン」メニューで[再起動]をクリックして再起動します.

さて,これで設定は終わりです.今回の構成では,Raspberry PiのI2SでDSDのネイティブ再生はDSD64だけですが,I2Sアイソレータ基板とRBD-P5122+ ZERO マスタークロック出力基板を使ってDSD128までDoP再生できることを確認しています.また,SABRE 9028プラグインをインストールすることでDSD128までDoP再生できるようなので試してみたいと思います.多分,追加で細工が必要になると思いますが.

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