LOBDAS DAC-BD34301バージョン(以下LOBDAS)に赤外線リモコンの受信モジュールを追加してリモコンから操作できるようにします.リモコンから操作できるのはLOBDASに実装されているタクトスイッチの機能で,アッテネータ量の増減,デジタルフィルタ特性の切り替えそして入力ソースの切り替えと,さらにミュート機能を追加しました.
使用した受信モジュールは秋月電子通商で購入可能な「赤外線受信モジュールOSRB38C9AA」です.送信側は同じく秋月電子通商で購入可能な「オプトサプライ赤外線リモコン」とApple Rmoteに対応しています.
赤外線受信モジュールの取り付け
受信モジュールはLOBDASのCN6と接続します.接続はモジュールの1ピンとCN6の2ピン,モジュールの2ピンとCN6の3ピンそしてモジュールの3ピンとCN6の1ピンになります.
受信モジュールの足を直接入れ替えるのは難しいので例えばGROVE – 4ピン-ジャンパメスケーブル 20cmのようなケーブルを使って入れ替えます.ピンソケットに挿入する側は両端ロングピンヘッダーを使うと良いです.
GROVE 4ピンコネクタは2mmピッチで受信モジュールは2.54ピッチなので少々窮屈ですが.
リモコン送信機
リモコンのボタンと機能の対応は以下のようになります.
デジタルミュートはボタンが押される毎にミュートのON,OFFがトグルします.また,再生モードやサンプリング周波数が変化した場合にはミュートは解除されます.
ファームウェアのアップデート
赤外線リモコンを使うためにはLOBDASのマイコンであるESP32ファームウェアのアップデートが必要になります.
ファームウェアのバイナリファイルLOBDAS_ESP32_1.1_2022_01_16.ino.esp32.binと書き込みツール類tool.zipをダウンロードし展開します.
USBシリアル変換モジュールとの接続
アップデートはPCからのシリアル通信で行います.シリアル通信にはUSBシリアル変換アダプターが必要になります.ここではFTDI FT232RL USBシリアル変換アダプターの例で説明します.この変換アダプターを使うにはドライバーをインストールする必要がありますが,ドライバーのインストール方法については「USBシリアル変換ドライバのインストール」を参照してください.また,別途USBA⇔mini USBのケーブルが必要になることは言うまでもありません.
USBシリアル変換アダプターとLOBDASとの接続は
のようになります.USBシリアル変換アダプターのショートジャンパーは3.3V側に挿入します.
他のUSBシリアル変換アダプターでも使えますが,シリアル側の信号レベルが3.3Vのものを使用してください.
ファームウェアの書き込み(Windows 10)
(MacやUbuntuでの書き込み方法は「ESP32マイコン基板にコンパイルしたバイナリを書き込む」を参照してください)
ダウンロードしたバイナリLOBDAS_ESP32_1.1_2022_01_16.ino.esp32.binとzipファイルを展開してできたesptool.exe,uploadbin.batを同じフォルダーに置きます.
LOBDASのSW6を押しながらSW5を押した後,両方のSWを離した状態でコマンドプロントから
uploadbin.bat com3 LOBDAS_ESP32_1.1_2022_01_16
と入力してリターンを押すことで書き込みが開始されます.以下の実行例では作業フォルダーをデスクトップとし,COMポートはCOM3となっています.
C:¥Users¥USER_NAME¥Desktop>uploadbin.bat com3 LOBDAS_ESP32_1.1_2022_01_16 C:¥Users¥USER_NAME¥Desktop>set PORT=com3 C:¥Users¥USER_NAME¥Desktop>set APP=LOBDAS_ESP32_1.1_2022_01_16 C:¥Users¥USER_NAME¥Desktop>.¥esptool.exe --port com3 --baud 961600 --chip esp32 --before default_reset --after hard_reset write_flash -z --flash_mode dio --flash_freq 80m --flash_size detect 0x10000 ./LOBDAS_ESP32_1.1_2022_01_16.ino.esp32.bin esptool.py v2.6 Serial port com3 Connecting.... Chip is ESP32D0WDQ6 (revision 1) Features: WiFi, BT, Dual Core, 240MHz, VRef calibration in efuse, Coding Scheme None MAC: 3c:71:bf:c7:80:20 Uploading stub... Running stub... Stub running... Changing baud rate to 961600 Changed. Configuring flash size... Auto-detected Flash size: 4MB Compressed 250432 bytes to 130718... Wrote 250432 bytes (130718 compressed) at 0x00010000 in 1.9 seconds (effective 1065.7 kbit/s)... Hash of data verified. Leaving... Hard resetting via RTS pin... C:¥Users¥USER_NAME¥Desktop>pause 続行するには何かキーを押してください . . .
書き込みが完了したら,LOBDASのSW5を押してリセットします.
これで赤外線リモコンで操作できるようになりました.