設計済みだったAK4493SEQラズパイDACをようやく基板化しました。AK4493SEQはまだ入手できてないですがAK4490REQが手に入ったのでこれを実装して動かしました。AK4490REQはAK4493SEQとピンコンパチで内部レジスタも一緒なので動作を確認するには問題ないですね。
出来上がったのはこんな感じです。これは部品面に面実装部品を実装したところです。
電源基板
こちらも同時に基板化しました。5Vを供給して5v/±12Vを出力する電源基板です。
入力コネクタはUSB Type-Cコネクタを採用していますので、電源アダプターはもちろん、モバイルバッテリーから電源を供給することができます。また、AK4493SEQラズパイDAC基板を動かすには入力電圧は3.7V〜5.25Vなので単三アルカリ乾電池3個または単三のエネループ4個でもOKです。この場合、基板のJ2にピンヘッダー(2P)をハンダ付けして、XHコネクタ付きの単三 x 3や単三 x 4の電池ボックスで供給する事も可能です。なお、J2の1ピンが電源で2ピンがGNDです。
Raspberry Piに接続
Raspberry PiにAK4493SEQラズパイDACを接続した状態です。高さ22mmのスペーサ4個を立ててGPIOコネクタに接続します。
AK4493SEQラズパイDACと電源基板の接続
12mmのスペーサ4個を立ててDAC基板の7ピンヘッダー(CN7)を電源基板の7ピンソケット(J1)挿入します。
電源投入
さて火入れです。
初めにDAC基板の電源を入れ(ここではモバイルバッテリーを使用しています)、次にRaspberry Piの電源を入れます。
Raspberry Piの電源が供給されていない場合LED D4が点滅します(見えてませんが)。
Volumioでの設定
Volumioの場合のプレイバックオプションの設定は、DACモデルはAllo BOSSに、Audio ResamplingはTarget Bit Depthを32にします。
基板上のディップスイッチとLED
DAC基板上のディップスイッチでAK4493SEQのデジタルフィルター特性を選択します。デジタルフィルター特性は電源オン時のディップスイッチの状態により決定し、それ以降にディップスイッチを変更してもデジタルフィルター特性の変更は行われません。
摺動子番号 | デジタルフィルター特性 | ||
3 | 2 | 1 | |
ON | ON | ON | シャープロールオフ |
ON | ON | OFF | スローロールオフ |
ON | OFF | ON | ショートディレイシャープロールオフ |
ON | OFF | OFF | ショートディレイスローロールオフ |
OFF | ON | ON | スーパースローロールオフ |
OFF | ON | OFF | 低分散ショートディレイ |
ディップスイッチの摺動子4はLEDのD2〜D4(黄色)でモニターする内容を決定します。摺動子4はONでサンプリング周波数を、OFFで設定されているデジタルフィルター特性をモニターできます。
LEDの状態とサンプリング周波数の関係です。●は消灯、○は点灯。
LED | サンプリング周波数(kHz) | ||
D4 | D3 | D2 | |
● | ● | ● | 32 |
● | ● | ○ | 44.1 |
● | ○ | ● | 48 |
● | ○ | ○ | 88.2 |
○ | ● | ● | 96 |
○ | ● | ○ | 176.4 |
○ | ○ | ● | 192 |
○ | ○ | ○ | 384 |
LEDの状態とデジタルフィルター特性の関係です。●は消灯、○は点灯。
LED | デジタルフィルター特性 | ||
D4 | D3 | D2 | |
● | ● | ○ | シャープロールオフ |
● | ○ | ● | スローロールオフ |
● | ○ | ○ | ショートディレイシャープロールオフ |
○ | ● | ● | ショートディレイスローロールオフ |
○ | ● | ○ | スーパースローロールオフ |
○ | ○ | ● | 低分散ショートディレイ |
LEDのD1(青色)は再生で点灯、停止で消灯します。
OLED表示
ハンダ面に実装している4ピンのGroveコネクタにGrove I2C ディスプレイモジュール等のSSD1306制御チップを搭載した128×64ドットOLEDディスプレイモジュールを接続することでデバイス側(AK4494SEQ)のサンプリング周波数や設定されているデジタルフィルターを表示させることができます。
他の表示としては、Raspberry Piの起動時やVolumioの再起動時に、I2Sに有効なクロック信号が検出されるまで(再生準備が整うまで)「NO SIGNAL」と表示します。また、DAC基板に電源が供給されていて、Raspberry Piの電源が供給されていない時には「Waiting for Raspberry Pi」と表示されます。
OLEDディスプレイはこちらも使えます。その場合、Grove-4ピンジャンパーケーブルメスを使うと便利です。ちなみにこのディスプレイはI2Cのデータ(SDA)とクロック(SCL)のピン配置がGrove 4ピンコネクタと逆になっていますので注意が必要です。
AK4493SEQの供給状況
今回はターゲットであるAK4493SEQではなくAK4490REQで動作の確認をしました。最近、DigikeyでAK4493SEQの繰越注文が可能になったのでもうそろそろ入手できそうです。入手次第、基板に実装して動かしましょう。すでにAK4490REQで確認できているので問題ないはずですが・・・。