ロームの32-bitステレオDAコンバーターBD34352EKVを搭載した高音質設計のラズパイDAC基板です。
AK4493SEQを搭載したRBD-A4493Sと同様に、フロントエンドにはTIのPCM5122を使用しているので、新たにドライバーをインストールすることなくロームのハイエンド向けDACチップBD34352EKVの音を簡単に楽しむことができます。
特徴・仕様
- 最大384kHz/32bitハイレゾ対応
- 高精度の水晶発振器を44.1kHz系(45.1584MHz)と48kHz系(49.1520MHz)の2個を搭載
- TIのPCM5122を使用しクロックマスターモードとしてI2S信号を生成
- Raspberry Piの電源ノイズによる音質の劣化を考慮した外部電源供給方式
- BD34352EKVへの電源はローカルに低雑音レギュレータを個別に配置し、低インピーダンス配線
- I-V変換用オペアンプとLPF用オペアンプは超低ノイズ、超低歪、高帯域のSoundPlusオーディオオペアンプOPA1602を採用
- LPFにはPanasonicのフィルムコンデンサECHUシリーズを採用
- デジタルフィルタはSharp Roll-Off、Slow Roll-Offの2種類を切り替え可能
- サンプリング周波数またはデジタルフィルタ、再生/ストップのモニターLED
- 124×64 OLEDディスプレイへの表示機能(オプションコネクタ接続)
- BD34352EKVのハードウェアアッテネータ機能(要可変抵抗のハンダ付)
- 4層基板により最適なレイアウト設計
- 出力電圧は2.1V(Typ. @1kHz)
設定方法
Allo Boss(Volumio) /Allo Boss DAC(Moode Audio)ドライバを選択してください。
(Volumio)
(Moode Audio)
電源の接続
電源はCN7から+5V、±12Vを供給します。
ピン番号 | 供給電圧 |
1 | +5V |
2 | GND |
3 | NC |
4 | NC |
5 | +12V |
6 | GND |
7 | -12V |
また、超低ノイズレギュレータのLT3045(正電源)とLT3094(負電源)を使用した専用の電源基板と接続することができます。
デジタルフィルタの選択
SW1-1のON/OFFで2種類のデジタルフィルタを選択できます。ONでシャープロールオフフィルタ、OFFでスローロールオフフィルタを選択することができます。なお、デジタルフィルタは電源のON時に決定されそれ以降にスイッチの状態を変えても反映されません。
モニターLEDの切り替え機能
SW1-4のON/OFFで、LEDのD2〜D4(黄)でモニターできるステータスを切り替えることができます。ONでサンプリング周波数を、OFFで設定されているデジタルフィルタをモニターできます。
LEDの状態とサンプリング周波数の関係です。●は消灯、○は点灯。
LED | サンプリング周波数(kHz) | ||
D4 | D3 | D2 | |
● | ● | ● | 32 |
● | ● | ○ | 44.1 |
● | ○ | ● | 48 |
● | ○ | ○ | 88.2 |
○ | ● | ● | 96 |
○ | ● | ○ | 176.4 |
○ | ○ | ● | 192 |
○ | ○ | ○ | 352.8/384 |
LEDの状態とデジタルフィルター特性の関係です。●は消灯、○は点灯。
LED | デジタルフィルター特性 | ||
D2 | |||
○ | シャープロールオフ | ||
● | スローロールオフ |
アナログ出力
アナログ出力はCN1、CN2のピンヘッダーまたはパッドにハンダ付けして取り出すことができます。
さらにオプションのRCA端子基板を取り付けることも可能です。
128×64 OLED表示器
ハンダ面に128×64 OLEDディスプレィ接続用としてGrove 4ピンコネクタを実装しています。表示内容はサンプリング周波数、選択されているデジタルフィルタそしてアッテネータレベルです。
秋月電子で購入できるGrove I2C OLEDディスプレイモジュールを使うことで特別な細工は必要なく使用できます。
同様に秋月電子で購入できる0.96インチ 128×64ドット有機ELディスプレイ(OLED)も使用できます。また、このOLEDを使用するにはGROVE – 4ピン-ジャンパメスケーブルが便利です。その場合、OLEDのピンヘッダーに4ピン-ジャンパメスケーブルのQIソケットを接続しますがこの接続には注意が必要で、下の画像のように白と黄色を入れ替えます。
OLEDディスプレイに表示されるのはBD34352EKVの再生状態になります。例えばVolumioのリサンプリング設定でサンプリング周波数を192kHzとしていた場合、Volumioのメインページでは音楽ソースのサンプリング周波数(例えば44.1kHz)を表示しますが、OLEDディスプレイでは実際にBD34352EKVが再生するサンプリング周波数、この場合は192と表示します。
プラグイン対応GPIOコネクタ取り付けランド
Raspberry PiのGPIO信号を接続したコネクタ(ピンヘッダー)用ランドを用意しています( CN7)。ピン番号をGPIO番号の対応は以下です。
ピン番号 | GPIO番号 |
1 | GND |
2 | GPIO20 |
3 | GPIO12 |
4 | GPIO7 |
5 | GPIO8 |
各信号はハード的にプルアップしているので、外部ではスイッチをGPIO信号とGNDに接続すれば良いです。
尚、電源基板を装着した場合は直接コネクタのランドにジャンパー線をハンダ付けする等の工夫が必要です。
参考:VolumioのGPIO Buttonsプラグインでボタン操作
リモコン受光モジュール取り付けランド
リモコン受光モジュールをハンダ付けするランドを用意しています。
リモコン受光モジュールの出力はGPIO25に接続されています。秋月電子の赤外線リモコン受信モジュール GP1UXC41QSや赤外線リモコン受信モジュールOSRB38C9AA(2個入)等、動作電圧が3.3Vのジュールが使えます。
参考:VolumioのIR Remote Controllerプラグインでリモコン操作
電源立ち上げシーケンス
Raspberry PiとBD34352EKVラズパイDAC基板(以下RBD-B34352)の電源の供給には順番があります。
Raspberry PiとRBD-B34352をほぼ同時かまたは、RBD-B34352を先に立ち上げその後Raspberry Piの電源をオンしてください。
基板の頒布
ここで紹介したBD34352EKVを搭載したDAC基板はLINUXCOMネットショップで頒布しています。
コメント
ご無沙汰しております。yseki118です。
BBBのブリッジ基盤製作の際にはたいへんお世話になりました。
Raspberry Piが品薄ということもあり、BBBやBBGの人気が復活しているという話を聞きました。
ただ、lightMPDの更新もなくなり、BBB用のディストリビューションが絶えて久しいです。そんな中、rAudioからBBB用のディストリビューションがDIYを前提にして公開されているのですが、私にはチンプンカンプンで音出しができないでいます。
つきましては、linuxcomさんの手でイメージファイルにして提供していただけないものでしょうか。
場所は
rAudio-1 running on BeagleBone Black #299
で検索していただければ、ヒットします。
ご一考いただきますよう、お願い申し上げます。
yseki118さん、
コメントそして情報ありがとうございます。
リンク先を見てみましたが、現在DACはUSBオーディオデバイスということでI2Sには今後改善される旨記載されていますね。
I2Sに対応したものがリリースされたらトライしてみたいと思います。
お返事ありがとうございます。「困った時のLINUXCOMさん頼み」で、よく調べもせずにお願いしてしまい、申し訳ありませんでした。
現状ではi2s非対応だったのですね。残念です。
boticを組み込むことができれば良いのですよね。
そうですね、I2S信号のピン設定等ハードウェアのconfigrationがboticと互換があることを期待します、