ES9038Q2M DACをVolumioのI2S DACの標準ドライバではDSD128のDoP再生はできません.調べてみたところAudiophonics I-Sabre ES9028Q2Mで公開されているプラグインを使用すると,DSD128までDoPで再生可能になるとここ(Vollumio2 (version:2.806))に書かれています.その記事を参考にしています.
しかし,既にマイクロSDカードにインストールされているVolumioに同じ手順でプラグインをインストールしてもうまく動きませんでした.プレイバックオプションでI2S DACのDAC ModelをプラグインでインストールしたAudiophonics I-Sabre ES9028Q2Mとし,DSD Playback Mode をDSD over PCM(DoP) としてもDSD128はPCMに変換されてしまいます.しばらく悩みましたが試しにVolumioをクリーンインストールした状態で行ったところうまく動くようになりました.
試した環境は
- Raspberry Pi 3B + I2Sアイソレーション基板
- DAC-ES9038Q基板(ES9038Q2M搭載)
- Volumio2 バージョン2.907
です.
SSHの有効化
I-Sabre9028プラグインのインストールはターミナルからsshでVolumioにログインして行いますが,初期状態ではsshが無効になっています.そのためまず最初にsshを有効化します.
VoumioのイメージをマイクロSDカードに焼いて,そのマイクロSDカードをRaspberry Piに挿して電源を入れ,ブラウザに volumio.local/dev/ と入力します.
表示されたページで,SSHのENABLEをクリックします.その後ターミナルから
$ ssh volumio@volumio.local
としてログインします.Macのターミナルで行いましたが,Windows10ではWindows Power Shellでも良いです.因みにパスワードはvolumioです.
I-Sabre9028プラグインのインストール
ここはターミナルでの作業です.
まずは最新の状態にアップデート.
volumio@volumio:~$ sudo apt-get update
ファイルをダウンロードします.
volumio@volumio:~$ wget https://github.com/audiophonics/Volumio2_I-sabre9028_plugin/raw/master/Q2M_kernel_4.14.92.zip
ダウンロードしたzipファイルを展開します.
volumio@volumio:~$ miniunzip Q2M_kernel_4.14.92.zip
Q2Mフォルダに移動して,プラグインをインストール.
volumio@volumio:~$ cd Q2M
volumio@volumio:~/Q2M$ volumio plugin install
Volumio初回起動時の設定ウィザード
ブラウザでvolumio.local/ とすると設定ウィザードが起動します.
日本語を選択して「Next」
適当な名前を入れます.ここで入力した名前でアクセスできるようになります.Volumioと入力すればhttp://volumio.localでアクセスが可能になります.
出力デバイスの設定をします.HDMI Out になっている.
I have an I2S DAC をYESにするとAudiophonics I-Sabre ES9028Q2Mが選択できる.そしてNext.
Simplified set of options にするとプレイバックオプションで詳細な設定項目が表示されなくなるので full set of options を選択するのがベター.
WiFiには繋げないので何もせずNext.
NAS等のネットワークドライブを追加する場合は「新規のドライブを追加」をクリック.
ネットワークをスキャンしてネットワークドライブのリストが表示される.
追加するドライブ,サブフォルダーを選択して保存をクリック.
マウントされたドライブ:フォルダーにマウント済みのチェックが入るので,Next.
寄付する場合は,Donate with paypal をクリック.感謝を込めて使わせていただく場合はAccountをクリック.するとVolumioのトップ画面になります.
I-Sabre9028プラグインの有効化
プラグインのインストール済みプラグインにAudiophonics ES9038Q2Mが表示されるのでONにします.I-Sabre9028プラグインをインストールしたのですがプラグイン名は Audiophonics ES9038Q2Mとなっています.
DAC Modelの選択
DAC ModelはAudiophonics I-Sabre ES9028Q2Mになっていますので,保存をクリックして再起動します.
動作の確認
再起動後に動作の確認をします.
まず,DAC Modelが正しく設定されているかの確認をします.
volumio@volumio3:~$ cat /proc/asound/cards
0 [ALSA ]: bcm2835_alsa - bcm2835 ALSA
bcm2835 ALSA
1 [Headphones ]: bcm2835_headphonbcm2835 Headphones - bcm2835 Headphones
bcm2835 Headphones
2 [DAC ]: I-Sabre_Q2M_DAC - I-Sabre Q2M DAC
I-Sabre Q2M DAC
5 [Amanero ]: USB-Audio - Combo384 Amanero
Amanero Technologies Combo384 Amanero at usb-3f980000.usb-1.3, high speed
ちゃんと設定されているようです.
これで,オプションのDSD Playback Mode をDSD over PCM(DoP) にして保存をクリックするとDoPでDSD128の再生が可能になります.